NIPT(新型出生前診断)を受けました
出生前診断については賛否ありますが、NIPTの検査を受けた経験を生かして、どのようなものかをなるべく分かりやすく書きますので検査を受けようか迷っている方の参考になればと思います。
【もくじ】
NIPTとは
「新型出生前診断」とも呼ばれ、妊婦の採血により胎児の染色体疾患を高い確率で調べられる検査です。採血量は10~20ccで、他の血液検査と変わらない量です。
妊娠10週以降に行い、通常だと採血後1~2週間で結果がでます。
羊水検査よりも安全性が高く、妊娠早期に検査できるというメリットがありますので検査を受ける妊婦さんも年々増加しています。
NIPTでわかること
お母さんの血液の中には赤ちゃんの染色体の断片があるので、それにより染色体異常を調べます。
検査結果は「陰性」・「陽性」・「判定保留」のいずれかになります。
NIPTは、あくまで非確定的検査なので、「陽性」や「判定保留」になった場合には羊水検査(確定的検査)を受けなければなりません。
しかし、「陰性」だった場合は染色体疾患の可能性はかなり低い(0.1%以下)ため、羊水検査を行う必要はありません。
NIPTでわからないこと
赤ちゃんの先天性疾患の可能性は、妊娠全体の3~5%といわれています。
その中で、染色体疾患の割合は1/4程度です。
つまり、その他の先天性疾患についてはわからないということです。
羊水検査について
NIPTで陽性、判定保留になった場合には羊水検査(羊水染色体検査)が必要です。
私は陰性でしたので羊水検査は受けませんでしたが、簡単にご説明します。
羊水検査とは、子宮内から羊水を少し採取する検査で、妊娠16週前後に行われます。
検査前に超音波で赤ちゃんの様子を確認し、細い針でお母さんのお腹から約20mlの羊水をとります。軽度の痛みを伴いますが、検査は数分で終わることが多いそうです。
羊水検査はこれまで多くの妊婦さんに行われてきましたが、いくらかの危険性があり、約0.3%の流産リスクが伴います。
認可施設と無認可施設はどっちがいいの?
NIPTの検査を行っている施設には、日本医学会の認可を受けている認可施設と認可外の施設があります。
違いをまとめましたので施設を選ぶときの参考にしてくださいね。
《認可施設》
・認可条件を満たしている
(臨床遺伝医・遺伝カウンセラーの常駐、羊水検査が可能、日本医学会への加入など)
・検査の条件がある
(35才以上の高齢妊娠、赤ちゃんの兄姉に染色体異常の子どもがいる、など)
・医師からの紹介状や夫婦同伴での外来受診が必要
(採血前にカウンセリングが必要)
・ 検査項目は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の3つのみ
・費用は20万円程度と高額だが、陽性だった場合の羊水検査代も含まれる
《認可外施設》
・認可は受けていないが違法ではない、検査精度は同じ
・検査条件がないので検査を希望する方なら誰でも受けられる
・紹介状や夫婦同伴での受診が不要であることが多い
・すべての染色体についての検査、性別の検査も可能
・費用は比較的安い
(検査のみだと9万円~)
・遺伝カウンセリングや羊水検査を行っていない施設がある
私自身は住んでいる地域に認可外施設がありませんでしたので、認可施設で検査を受けました。夫婦同伴で外来受診をしなければならず日程調整は大変でしたが、採血前に2人でしっかりとカウンセリングを受けたので、安心して検査できました。
一方で、認可外施設には違法性は全く無く、検査範囲も広いなどメリットも多いです。
認可外でも遺伝カウンセリングや羊水検査を行っている施設もありますので、妊婦さんの予算や状況などにマッチした施設であれば、どちらで検査を受けても良いと思います。
POINT
◎NIPTとは、妊婦の採血により、胎児の染色体疾患を調べる検査である
◎NIPTは非確定的検査なので「陽性」や「判定保留」になったら羊水検査が必要
◎染色体疾患以外の先天性疾患についてはNIPTでは、わからない
◎羊水検査とは、子宮内から羊水を少し採取し染色体異常を調べる検査である
◎予算や状況などにマッチした施設であれば、認可施設、認可外施設どちらで検査を受けても良い
NIPTは保険適用外の検査ですので高額にはなりますが、流産リスク無しで赤ちゃんの状態を調べることができますので、妊婦さんの不安や疑問を解決する上で有効な方法だと思います。
施設選びに失敗しないように、認可か認可外か、遺伝カウンセリングや羊水検査が可能か等、希望の施設について事前によくリサーチしてから検査を受けることが大切です。
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